REGAL Shoe & Co. (東京都渋谷区)
United Athle Works 7448-01, United Athle 5942-01 / 5913-01 / 9674-01多くの服好きが行き交う渋谷・ファイヤー通りに店を構えるリーガル シュー&カンパニー。
この度、United Athle Worksとコラボレーションして新たなユニフォームを制作した。
老舗のDNAを受け継ぎながら現代にアプローチする革靴ショップが作るワークウェアとは。
デザインに込めた想いや彼らの誇りに迫った。
変わり続ける現代人に
変わらない定番を
学生時代大切に履いたあのローファーや、父の仕事の相棒だったあのビジネスシューズ、母がおめかしするときに履いたあのパンプス─。数世代にわたって日本人の足元に寄り添い、多くの人々に愛されてきたリーガル。もともとこのリーガルというブランドは、1880年に米国マサチューセッツで生まれ、1960年代に日本に渡って成長を遂げてきたというルーツを持つ。そして、現在まで約60年に渡って歴史を育み、今では我が国の革靴文化を体現するブランドとなった。日本に初めてグッドイヤーウェルト製法を持ち込み、60年代のアイビールックブームを通じて本格的な革靴を日本に定着させたのもこのリーガルコーポレーション。そんな歴史と実績をもつこの会社が、新しい価値観を生み出すために立ち上げたコンセプトストアこそ、今回のコラボレーション相手であるリーガルシュー&カンパニーだ。今回、このジョイントワークが実現したのは、“定番・銘品”を時代に合った形で提供するという想いが、United Athleと共鳴したから。まずは、我々の共通点である“定番”へのこだわりや想いから、ブランドのアイデンティティを紐解いていきたい。ブランド MDの森田幸之介氏に話を聞いた。
「リーガル シュー&カンパニーは、約一世紀にわたるリーガルの長い歴史の中で生まれた定番プロダクトをピックアップして、現代的なアプローチで届けるブランドです。ですから、“定番”や“ベーシック”というキーワードは、まさにブランドの根幹ともいうべきものなんです。やはり、時代に合った新しい価値観を生み出すには確かな土台が必要。私たちの長い歴史が育んだアーカイブ、そしてプロダクトやものづくりに対する誇りがあるからこそ、現代の人に響くアプローチができるのだと信じています。ちなみに、靴のデザインやテイスト的なところでいうと、私たちのスタイルのベースはアメリカ東海岸のトラッドファッションにあります。いわゆる、1960年代に日本で流行した“アイビールック”と呼ばれるスタイルですね。1960年代は日本でリーガルというブランドが始動した頃であり、本格的な革靴文化が日本に定着した、いわば時代の転換点。私たちのブランド、ひいては日本の革靴カルチャーの原点ともいうべき、そんな当時のスタイルを、現代の東京ストリート的に解釈したのがリーガル シュー&カンパニーというわけなんです。わかりやすくいうと、クラシックな面構えだけど現代の着こなしに似合う靴を作っているということ。たとえば、伝統的なデザインのアッパーにシャークソールを合わせてみたり、BOAフィットシステムやゴアテックス ファブリクスといった新しいテクノロジーを積極的に採用したり、といった風に、目に見える見えないに関わらず、伝統を丁寧に守りながら現代人の暮らしやファッションにフィットするような一足を作っています。スニーカーカルチャーで育った世代にも革靴にこだわりのある世代にも響く靴を作り、届けることが私たちのミッションなんです」
トラッドとモダンを行き来しながら、現代日本人の足元に相応しい新定番を提供しているリーガル シュー&カンパニー。そのミッションはスタッフひとりひとりのファッションはもちろん、今回コラボレーションした新しいユニフォームにも強くあらわれていた。
「革靴といえば、フォーマルやビジネスなどきちんと決めたい時の靴というイメージが強いですよね。また、オンの日だけでなく、オフの日でも比較的かっちりした格好をしたときに使っているという方が多いのではないでしょうか。ですが、私たちリーガル シュー&カンパニーはもっと自由に革靴を楽しんでもらいたいと思っているんです。たとえば、Tシャツやデニムのようなカジュアルなアイテムと合わせてもいいし、ワークウェアやスポーツウェアとだって合わせてもいい。実際に、お店で日々働いているスタッフの普段の着こなしも、90ʼsライクなストリートスタイルからクラシックなカントリースタイルまでさまざまです。そんな自由な感覚を今回のコラボレーションを通じて伝えられたらいいなと思っていまして。これらのユニフォームのデザインは、そういったストリート感やミックス感を意識しました」
黒、白、赤。リーガル シュー&カンパニーを象徴する三色を使い、シンプルに仕上げた今回のコラボレーションアイテム。どのアイテムにも余計なデザインは入れず、オフィシャルロゴやブランド名だけをシンプルにあしらっているのが特徴だ。コーチジャケットとTシャツの背中でひときわ目を引く“SHOE&CO”のサインは、米国の商業施設の電飾サインをモチーフにした内装デザインを象ったもの。自慢のシューズが並んだライトボックス上に鎮座するお店のシンボルを大胆にプリントした。そして、長袖Tシャツの背中に大きくあしらわれているのは、ブランドのロゴマーク。このブーツのアートワークは1990年代以前に使われていたもので、長い歴史が培ってきた伝統を背中に背負う、という想いを体現したという。Tシャツの胸元やハットにあしらったのは、ブーツなしのシンプルなブランドロゴ。控えめかつシンプルに刺繍であしらい、スタッフが着るユニフォームとしての“らしさ”も完備。制服らしくもタウンウェアらしくも着られる、リーガル シュー&カンパニーならではのミックス感を存分に盛り込んだアイテムが仕上がった。
自由な発想で着こなせる
シンプルなユニフォーム
リーガル シュー&カンパニーが、今回のコラボレーションユニフォームのベースにチョイスしたのは、TシャツにロンT、コーチジャケット、バケットハットと、昔から愛されストリートスタイルを象徴する定番アイテム。そして、そこにプリントしたのはロゴやブランドネームのみのシンプルかつストイックなもの。このデザインはどんな意図を持ったものなのだろうか。
「今回のコラボレーションでは、アパレルとしてのデザインというよりも、ユニフォーム・制服としての性質にこだわりました。プリントしたのは、ひと目見てうちだとわかるお店のアイコン、つまりブランドのロゴマークと店内のライトボックス上にあるネオンサインです。お店で働くスタッフが着るものですから、やはり一目見てスタッフだとわかるものでないといけません。黒と白のニュートラルカラーで仕上げて誠実さや統一感を出したのもそういった理由からです。このように、一見ストイックすぎるようにも見えるこのデザインですが、実はリーガル シュー&カンパニーのコンセプトやスタイルにしっかりマッチしているんです。こういったストイックなデザインの仕事服やロゴをシンプルにあしらったスポーツウェアを普段着として着こなすことって、まさにストリートファッションのマインドそのものじゃないかと思っていて。そういった点で見ても、ベーシックだけど、シルエットや素材感、ディテールのつくりで現代的にモディファイされたUnited Athleのウェアはぴったりだったなと感じます」
実際に今回のコラボレーションウェアをスタッフが着こなした姿は、ストアユニフォームとしての統一感と、ストリートカルチャーの匂いを同時に持ちあわせていた。上述の通り、ここで働くスタッフはさまざまなファッションのルーツを持ち、それぞれが各々のスタイルを自由に楽しんでいる。
「今回、登場したスタッフには思い思いに着てもらいました。半袖のTシャツと長袖のTシャツを重ねてデニムを合わせたり、オーバーサイズのロンTをジーンズにタックインしたり、コーチジャケットとバケットハットを合わせたり。ラフでカジュアルな格好にも革靴は似合う、ということを伝えられるユニフォームができたんじゃないかなと思います。老舗シューカンパニーならではの伝統や確かな品質と、ストリートカルチャーの自由な発想や感性。こういった異なる価値観を結ぶという誇りを、このユニフォームとともに守っていきたいですね」
2010年、リーガルのストアブランド及びコンセプトストアとして渋谷・ファイヤー通りにオープン。“ニュースタンダード”をコンセプトに掲げ、100年以上にわたる長い歴史の中で生まれたスタンダードモデルをベースに、現代的なデザインや先端技術を融合したレザーシューズを提供する。ショップではバンダナやシューホーンなど、関連グッズも展開。
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