mitosaya 薬草園蒸留所(千葉県大多喜町)
United Athle Works 1384-01 / 7448-01, United Athle 5508-01房総半島のちょうど真ん中、東京から一時間半の場所にありながら豊かな自然にあふれた里山・大多喜町。
今回、ともにユニフォームを制作したのはここに薬草園兼蒸留所を構えるmitosaya。
彼らがこだわったのは、“機嫌よく働ける服”。
それぞれの仕事に発見と楽しみを見出す、彼らの誇り高き働き方を取材した。
“小さな読みかえ”の積み重ねが
仕事への誇りに繋がる
植物や果実を原料にしたオー・ド・ヴィーと呼ばれる蒸留酒やリキュール、旬の素材を用いたブレンドティーなどの加工品が、国内外で人気を集める気鋭の蒸留所mitosaya。ここを手掛けるのは蒸留家・江口宏志氏。ブックショップ・UTRECHTを立ち上げ、2000年代のブックカルチャーを牽引した第一人者として知られる人物だ。そんな氏が本の世界を離れ、家族でドイツへ移住して技術を学び、自らの施設を立ち上げるまでに惹かれた“蒸留”。環境を大きく変えることを厭わないほど、心を突き動かした魅力はどのようなところにあるのだろうか。
「オー・ド・ヴィーを飲んだときの、口の中にわっと香りが広がる感じがとにかく強烈で。もともと自然に関わる仕事をしたいと思っていた頃だったんですが、自然物に特別な技術を加えることでこんなにも強烈な体験をもたらせるなんて、と思ったんですね。単純に生産物を売るのではなく、人間がいるからこそできる蒸留という技術はすごく特別だ、と。たしかに大きな転身だとは思いますが、根底の部分では本作りも酒作りも実は似ているんですよ。アイディアや表現物をひとつのパッケージに収めることなんてまさにそう。タイトルやラベルのデザインをどうするかなど、より深く味わってもらうためにいろんな工夫があるわけです。mitosayaのお酒のパッケージには一年間一人のアーティストにアートワークを提供してもらっていますが、これも文庫本レーベルのような統一感と変化のバランスを意識していたりしますし、見せ方も仕掛け方も共通している点は多いんです」
一見すると大きく違うものに同じエッセンスを見つける。一方、同じものに違う視点を見つけることもmitosayaを営む中で大切だと気づいたという。
「小さな読みかえの積み重ねが大事だと思うんです。もともとここは公営の薬草園だった場所なんですが、管理棟を蒸留所に改修したり、小さな点検用の階段をエントランスにしたりと、本来の用途を読みかえることで使える要素を見出しているんですね。酒づくりにおいても、今まで使ってこなかった素材を使ってみるとか、新しい発見続きで面白くてしょうがないんです。この視点の変化というのは人間関係についても同じで、本屋時代に付き合いがあった人も僕の立場が変わったことで、違う面白さが出てきています。例えば、レザーブランド・Hender Scheme(エンダースキーマ)のデザイナーの柏崎くんは旧い付き合いですが、僕が蒸留家になったことで鹿の皮でスピリッツをつくるという試みを通じて新しい接点が生まれました。もともとは娘たちの名前を並べて、なんかいいねという感じでつけた“mitosaya”という名前から、“実だけでなく莢(さや)にも目を向けよう”という僕らのスタイルの根幹になったわけですが、まさにそこに大事なことが詰まっていたんだなって思います」
多くの人を巻き込みながら新しい楽しみを見出していく江口氏。ここで働くスタッフにも自ら小さな発見をしてもらいたい、ひいてはそれが働く誇りに繋がるのではないかとも話す。
「働いてくれる人にとっても楽しくてやりがいのある場所にしたいと考えています。製造業ってどうしても効率化を求めていきがちなんですが、それをどう回避するか。同じものをたくさん作って売る方が効率がいいし簡単ですが、そうすると働く人にとっては仕事が単なる作業になってしまうかもしれない。ですが、ここにはいろんな植物がごちゃっと広がっていて、いろんな動物がいて、お酒も常時20種類以上同時に作られていて、と、変な環境をわざと作って単純作業にしないようにしています。やることが山ほどある中で、それぞれのスタッフにやるべきことを見出してもらう。“わたしにしかできない”とか“楽しい”と思える仕事って、そういうところから生まれると思うんです。僕自身もモチベーションが上がることですし、それをスタッフのみんなにも共有したいんですよね。仕事や組織への誇りって、ただユニフォームにロゴのワッペンをつけただけでは持てないですから(笑)」
機嫌よく働けるということが
素晴らしいものづくりの源泉
今回のコラボレーションユニフォームは、今年のラベルのアートワークを手掛けるポーランド人建築家、アウレリウシュ・コヴァルチックのドローイング、そしてmitosayaのロゴのみというシンプルなデザインだった。江口氏がユニフォームやワークウェアに求めるものは一体何なのだろうか。
「ワークウェアって機能性を突き詰めていくと、いわゆる作業服みたいなものでいいわけです。でも、そうすると仕事が突然 “作業”になってしまう。僕はそれが本当に苦手で。今日はこれから楽しいことをやるんだ、という気持ちにしてくれるもののひとつとして洋服ってすごく大事だと思うんですね。じゃないと朝起きられないですから(笑)。今までmitosayaであえてユニフォームを使ってこなかったのもそういう理由から。それぞれが楽しく仕事をできるものを着ればいい、というのがワークウェアの基本だと思っています。とはいえ、揃いのユニフォームというものにも魅力的な一面はあるよな、という思いも一方であって。昨年、東京・清澄白河にCAN-PANYという清涼飲料のボトリング工場を作ったとき、衛生管理の都合上ユニフォームが必要になったんです。そのときに、知り合いのアパレルメーカーが提供してくれたセットアップに、シルクスクリーンでロゴを入れてみたんですが、みんなそれをすごく喜んでくれたんですよね。そこで、チームで同じものを着る楽しみもあるなって気づいたんです。今回、United Athleとのコラボユニフォーム制作が実現したのもそういった経験があったからこそ。もちろん毎日着る必要はないし、決まった着方もなくていいと思うんです。なんとなく共通点のある服を、思い思いに着るだけで結構楽しいじゃないですか。Farming Fridayと銘打って、みんなで植物や土に触れて作業をしようという日だったり、イベントなどでなにかを一緒にやっているという感覚を持ちたいときに、それぞれが自由に着てくれたらいいなって思っています。結局のところ、ユニフォームに関わらず、みんなが機嫌よく仕事ができればそれでいいんです。機嫌よく働ける環境を整えることで、好奇心や探究心が芽生え、それが結果として素晴らしいものづくりに繋がると考えています」
千葉県大多喜町の薬草園跡地をリノベーションして2018年に完成した蒸留所。約16,000㎡の敷地で栽培された果樹や薬草・ハーブ、全国のパートナーたちの作る豊かな恵みを使い、発酵や蒸留という技術を用いてものづくりを行う。蒸留酒だけでなく、ジャムやシロップ、お茶まで、自然の恵みを活かしたさまざまなプロダクトを開発する。
千葉県夷隅郡大多喜町大多喜486
OTHER CASE OF UNIFORM
mitosaya
VIEW MORE
KURKKU FIELDS
VIEW MORE
バターのいとこ vol.2
VIEW MORE
バターのいとこ vol.1
VIEW MORE
REGAL Shoe & Co.
VIEW MORE
BLACK TIDE BREWING
VIEW MORE
TIMBER CREW vol.2
VIEW MORE
TIMBER CREW vol.1
VIEW MORE
村松生地
VIEW MORE
光春窯
VIEW MORE
HIROPPA
VIEW MORE
NOTEWORKS
VIEW MORE
はなまる整骨院
VIEW MORE
BELL HOP SERVICE
VIEW MORE
本格餃子 包 TSUTSUMU
VIEW MORE
SAMS MOTORCYCLE
VIEW MORE
JAZZY SPORT
VIEW MORE
HUMAN NATURE
VIEW MORE
MUSTARD™ HOTEL
VIEW MORE
BLOODY ANGLE Dougen Tong
VIEW MORE
GEN GEN AN
VIEW MORE
HOTEL DRUGS
VIEW MORE
WASH&FOLD
VIEW MORE
ライオン
VIEW MORE
BUY ME STAND
VIEW MORE
CAROLINE DINER
VIEW MORE
THE OVERSEA
VIEW MORE
SOLSO PARK
VIEW MORE
W-BASE
VIEW MORE
Guru's Cut & Stand
VIEW MORE
PIZZA SLICE
VIEW MORE
麺散
VIEW MORE
whole
VIEW MORE