今夏、世界的オーディション番組『America’s Got Talent』で会場を爆笑の渦に巻き込み、世界進出への第一歩を踏み出した人気お笑いコンビ・チョコレートプラネット。本コラボレーションでは、先日米国で披露されたネタであり、彼らがブレイクするきっかけにもなったキャラクター・TT兄弟をモチーフに本格的なラップTを製作。 “T”を探した先にたどり着いたUnited Athleの“T”シャツ─。デザインに込めた想いや音楽・ファッションのルーツなど、今回制作を手掛けた松尾駿氏に話を訊いた。

─今回はなぜTT兄弟のラップTを制作しようと？
松尾駿(以下、松尾)　今年の頭に、先輩芸人のとにかく明るい安村さんが作ったラップTをいただいたんですが、その仕上がりがめちゃくちゃ良くって。もともとラップTは好きだったし、ちょうどこのコラボの話も持ち上がったので、じゃあ自分たちのも作りたいなって思ったんです。このTシャツも、安村さんのラップTをデザインしたO.Z.Y.K.I.X(オージーキックス)さんに描いてもらったんですよ。ちなみに、モチーフをTT兄弟にしたのは、Tシャツの“T”がぴったりってこともあるし、なにより見た目が一番バカバカしいから(笑)。格好いい感じのデザインも含めていろいろと候補を挙げてもらったんですが、あえて一番ダサかわなものを選びました

─実際に仕上がりを見ていかがでしたか？
松尾　すごくよかったですね。O.Z.Y.K.I.Xさんには全身の写真を入れてほしいということ以外はお任せでしたが、本当に理想通りの仕上がり。ボディの生地感やサイズ感もばっちりでした。自分で着るなら、2XLとかの大きめサイズをバスケショーツなんかのゆるめの短パンに合わせたいです。で、足元はエアフォース1。あと、新品のパリッとした感じもいいけど、着込んでくたくたになるのも楽しみですね。90年代のラップTみたいな質感になったらいいなって

─松尾さんのファッションのルーツはそういった90’sストリート的なところにあるのでしょうか？
松尾　そうですね。僕がファッションとか音楽に目覚めた頃ってHIPHOPとかレゲエカルチャーが主流で、服はとにかくデカいのが格好いいって価値観だったんですよ。半袖Tシャツの袖で肘が隠れていないとちょっと恥ずかしい、みたいな(笑)。もう40歳を超えた大人なので少しは落ち着いたけど、やっぱりサイズ感とか合わせ方に当時の名残はありますね。もともと、ファッションにも背景がある方が好きで、サイジングや着こなしはもちろん、ブランド選びとかTシャツのプリントひとつとっても、自分の中にあるものの延長線上にある服を着たいなって思うんです。今回のコラボレーションのデザインに関しても、そのあたりのカルチャーが好きだからラップTにした、というところもあります

─松尾さんが思うラップTの魅力とはどんなところにありますか？
松尾　やっぱり着る人の背景が見えるところでしょうね。わかりやすくこのラッパーが好きだってアピールできるアイテムじゃないですか。ツアーTとかもありますけど、ラップTは顔と名前がドンと載っていて本当に好きじゃないと着られない感じがあると思うんです。度胸や覚悟が必要というか(笑)。僕自身、本当に大好きなアーティストのラップTしか持っていないし、“ちょっと好き”くらいじゃ恐れ多くて着られないですからね

─United Athleとは昔から縁があったそうですね。
松尾　若手時代、お金がなかったのでコスパのいい無地Tシャツばかり着ていたんですが、そのときに愛用していたのがUnited Athleだったんです。シルエットも生地感もまさに理想的。実は、TT兄弟の衣装のTシャツもUnited Athleボディなんですよ。キャラクターをはじめた当初は適当な白Tに黒いペンで“T”と書いただけだったんですが、このキャラは売れる！と確信したときに原宿のオリジナルTシャツショップに行ってちゃんとしたプリントTを作ったんです(笑)

─最後に、松尾さんにとってTシャツとは？
松尾　自分を映し出すもの。プリントはもちろん、シルエットや選ぶサイズ、生地感なんかの全部の要素をひっくるめて、どんなカルチャーが好きかってことがにじみ出てくるアイテムだと思うんです。だから、このコラボTを着る人は“TT兄弟が好きなんだぞ”という覚悟を持って着てもらいたいですね(笑)