Column Vol. 01ポリエステル素材の特徴
最近アパレル製品でよく見かける素材、「ポリエステル」。
衣類だけでなく、バッグや帽子、雨具、マスクなどさまざまな小物にも利用されることが多くなりました。
アパレル製品ではアクティブシーンで活用されることも多く、その性質によりポリエステル製品が手放せないプロスポーツ選手も多いはずです。
アクティブシーンで特に活用される秘密は、ポリエステルそのものの性質が大きく起因しています。
今回はそれらポリエステルの特徴や使用したときのメリット・デメリット、お手入れ方法などをご紹介します。
1. ポリエステルとは
ポリエステルとは、高分子化学物の総称で、代表例としては、「ポリエチレンテレフタレート繊維」(以下:ポリエステル繊維)と呼ばれる化学繊維が挙げられます。
ポリエステル繊維は、ポリエステルを熱で溶解し、細い孔がたくさん空いたノズル(口金)から繊維状に押し出し、空気で冷却し繊維化することによって作られます。
このノズルの形状を工夫することで、さまざまな断面の形を持つ糸を自由に作ることができ、断面の種類によって、多彩な機能を付与することができます。
ポリエステルは、このような異形断面糸を利用して吸水速乾・接触冷感などの機能を持たせたり、その他の特殊な加工を施すことで防臭・抗菌機能を持たせたりすることができます。そのため、昨今では「機能性衣服」の素材として使用されることが多くなりました。
2. ポリエステル繊維の特徴
- 01高い速乾性でいつまでもサラサラの着心地
- ポリエステルは繊維の中に水分が入り込まず、水分率がほとんど0に近いため、水や汗が生地に触れたときにすぐさま拡散して蒸発します。
この速乾性により、肌に感じるべたつき感を抑え、サラサラとした心地よい手触り感を維持することができます。
反対に綿は繊維の中に水分を含みやすく吸水性に優れている反面、乾きが遅いことや濡れると重くなる性質があります。
- 02UVカット(紫外線遮蔽)
- ポリエステル繊維はもともと可視光線(かしこうせん)の透過を抑制する性質を有します。
そのため、光を透過しづらく、それだけで紫外線を遮蔽することができます。
屋外での活動が多いスポーツシーンで重宝される理由の一つとしても、UVカット効果が挙げられます。
紫外線の透過率が低い素材としては、ポリエステルのほかにビニロンやウールなどがあります。
- 03耐久性が高く、色持ちが良い
- 綿は短繊維を撚って一本の糸に紡績するため、糸が切れやすかったり毛羽があったりすると製品の品質を左右することがあります。
一方、ポリエステルはポリエチレンテレフタレートという化学物質を高温で融解することで、一本の長い繊維(長繊維)を紡糸して生地を構成します。
そのため、糸一本一本が丈夫で切れにくく、製品になったときの耐久性が上がります。
また、ポリエステル素材の製品は、色落ちがしづらいということも特徴として挙げられます。
ポリエステル繊維の染色は、綿繊維に比べて非常に高温の環境で行われます。
一般的にポリエステル繊維の染色には130度以上に温度を上げる必要があります。
染色理論では、染色できる温度が脱色できる温度とも言われており、仮に染色したポリエステル繊維を脱色しようとすると同じだけ高温にしなければなりません。
通常の洗濯ではなかなか色あせしないというのは、そういった背景があるからなのです。
稀に「ポリエステル素材の色柄物と一緒に洗ったら色落ち・色移りを起こした」といった事象を聞くことがありますが、これは「色落ちした」ということよりも、染色の際に「洗い」の工程が不十分で生地や糸の表面に余分な染料が残ってしまい、それらが洗濯によって洗い流され、他の衣類に移ってしまったという可能性も考えられます。
また、繊維が毛羽となって脱落し、同時に染料が落ちてしまうようなことも少ないため、発色の良い色合いを維持しやすいということも挙げられます。
また、シワや型崩れなどもしにくいので、洗濯を繰り返すことなどによる衣類の着崩れを気にしなくてよいということも魅力の一つです。
- 04燃えやすい
- 主な原料が石油であること、水分率がほとんど0に近いことから、非常に燃えやすい繊維の一つであると言えます。化学繊維の中では比較的、高温には強い繊維ではありますが、火には弱く、一瞬で燃えだしてしまうため、火を扱う場面(バーベキューや調理場など)では注意が必要です。
- 05静電気を起こしやすい
- ポリエステルは一般にマイナスの電気を帯びる性質を持っており、特に湿度の低い冬などの季節には、着用する衣類の組み合わせによって静電気を発生させることがあります。
例えばプラスの電気を帯びやすいナイロン素材とマイナスの電気を帯びやすいポリエステルを組み合わせて着用すると、衣類同士がこすれることで静電気が発生しやすくなります。
このことから分かるように、「ポリエステル素材は静電気を発生させやすい」というよりも、「組み合わせる素材によって静電気が発生しやすくなる」と言った方が正確です。
- 06汚れを吸着しやすい(逆汚染)
- 洗濯中、洗濯液に溶けだした汚れが、再度洗濯物に付着して汚染してしまう現象を「逆汚染」と言い、ポリエステル素材はこの逆汚染を起こしやすい素材と言われています。
石油由来の素材であるため親油性が高く、特に油汚れは吸着しやすいです。
そのため、お手入れの際には、油汚れが付いた物や汚れのひどい物とは分けて洗濯することをおすすめします。
3. ポリエステル製品のお手入れについて
衣類に使用されることの多いポリエステル素材で、欠かせないのが洗濯・お手入れです。
前述の特徴を考慮した洗濯方法を徹底することでお気に入りの一枚を長く着用することができます。
- 01洗濯機の使用について
- 「ポリエステル100%」と言っても、生地のつくりや装飾・縫製などによって異なるため、洗濯機を使用しても良いか、手洗いが良いか、といったことは必ず洗濯表示を確認してください。
また、前述の「逆汚染」を防ぐためにも汚れのひどい物とは分けて洗濯するようにしましょう。
- 02乾燥・干し方について
- ポリエステルは乾きやすい素材のため、乾燥機にかけなくても自然乾燥で十分に乾きます。乾燥機を使用する場合は、高温となることもあるので、生地の傷みや縮みを引き起こす可能性があります。洗濯表示を確認し、乾燥機が使用できる場合でも短時間で行うことが望ましいでしょう。
干して乾かす場合は、退色を防ぐためにも直射日光を避け、風通しの良い日陰に干すのが理想的です。
- 03アイロンの使用について
- ポリエステル生地は綿などの天然繊維の生地に比べてシワが付きにくくなっていますが、しつこいシワがある場合やどうしてもアイロンをかけたいといった場合は、洗濯表示でアイロンが使用できることを確認したうえで、あて布の上から中温以下でアイロンがけすることをお勧めします。
4. ナイロン素材との違い
現在広く知られている化学繊維として、ポリエステルとナイロンが挙げられ、この2つは、しばしば混同されてしまう傾向にあります。
そこで、それぞれを比較した場合の特徴の違いや見分け方などをご紹介します。
- 01吸水性や吸湿性、速乾性について
- もともとの性質としては、吸水性・吸湿性が高いのはナイロンです。
しかし、速乾性についてはポリエステルに軍配が上がります。
ポリエステル素材が「吸水速乾機能素材」として謳われるのは、元来の速乾性に加えて、繊維の形状に「異形断面」などを採用することで毛細管現象が起き、天然繊維を上回る吸水性を付与しているためです。
- 02摩擦耐性や強度について
- 摩擦や摩耗に対して強いのはナイロンです。化学繊維のなかでも無類の強さを発揮する素材です。
ポリエステルも摩耗に対して強くはありますが、ナイロンには及びません。
また、強度については、引っ張りに強いのはナイロン、衝撃に強いのはポリエステルと言われています。
- 03耐熱温度について
- 特殊な加工やコーティングがされていないことを前提とすると、ポリエステルの方が、若干、耐熱温度が高いです。
ですが、ポリエステルもナイロンも決して熱に強いタイプの繊維ではないため、高温での処理(高温のアイロンがけ、乾燥機の使用)は避ける、もしくは洗濯表示を守りながら慎重に行うことが重要です。
- 04見分け方
- 最も顕著な見分け方は燃焼による方法です。
ポリエステルは煤(すす)の多い炎を出して燃えるのに対して、ナイロンは溶けながら徐々に燃え、炎を離すと燃え続けません。
ですが、いつも着用している洋服を燃やして試すことはできないので、衣類の場合は品質表示を確認することが最も簡単と言えます。
5. ポリエステル繊維を使用した United Athle 製品
- Style No. 5088-01 ADULT SIZE 4.7オンス ドライシルキータッチ Tシャツ(ローブリード)〈アダルト〉
- やわらかさと丈夫さを両立したこだわりの生地が自慢の「シルキータッチシリーズ」です。
ポリエステルの発色の良さを最大限に活かした色合いと、素材のやわらかさが人気の一枚。
「染色の方法」と「染料の種類」を工夫することで、ポリエステル生地へのプリントをする際の代表的な悩みである「ブリード(昇華)現象」を抑制。
また、「肌から汗を吸い取り素早く乾かす」というドライTシャツの最大の特長はそのままに、肌に接する裏側に凸凹構造を採用することで、肌離れが高まり、まるでシルクのような肌触りを生み出しています。
- Style No. 5088-02 KIDS SIZE 4.7オンス ドライシルキータッチ Tシャツ(ローブリード)〈130~160cm〉
- Style No. 5900-01 ADULT SIZE 4.1オンス ドライアスレチック Tシャツ 〈アダルト〉
- コスパに優れたドライTシャツ。
きちんと感のある硬めの生地が学校の部活動などで根強いリピート率を誇るUnited Athleの代表ドライTシャツです。
United Athle独特の配色なども魅力の一つ。
乾きやすく型崩れしにくいというポリエステル生地の特徴により、毎日の洗濯・お手入れにも耐えることができ、吸水速乾・UVケアといった特徴も持つため、コスパ抜群の一枚です。
- Style No. 5900-02 KIDS SIZE 4.1オンス ドライアスレチック Tシャツ 〈120~160cm〉
- Style No. 5900-03 WOMENS SIZE 4.1オンス ドライアスレチック Tシャツ 〈ウィメンズ〉
- Style No. 2020-01 ADULT SIZE 4.7オンス スペシャル ドライ カノコ ポロシャツ(ローブリード)〈アダルト〉
- シワが付きにくく乾きやすい、イージーケアポロシャツ。ポリエステル100%でありながら、「鹿の子編み」を採用することでビジネスシーンにマッチするように企画。
表面は上品な光沢となめらかな風合いで、肌触りの良さが魅力です。
繰り返し洗っても色落ちしにくいため、デイリーユースに最適。
- Style No. 2020-03 WOMENS SIZE 4.7オンス スペシャル ドライ カノコ ポロシャツ(ローブリード)〈ウィメンズ〉
- Style No. 5050-015.3オンス ドライカノコ ユーティリティー ポロシャツ
- ベーシックポロシャツの代表格。
綿60%+ポリエステル40%の混紡(こんぼう)で、吸水速乾機能とUVカット機能を備えた機能的かつ着心地の良い一枚。
ビジネスユースに人気の「鹿の子編み」生地を採用し、綿素材の着心地の良さを持ちながら、機能性に優れている大定番ポロシャツです。
ポリエステル繊維の特徴を知って、コーディネートやお手入れの参考にすることで、ウェアをさらに快適に長く愛用することができます。
ポリエステル製品は機能的でコスパに優れたものが多いことから、今後、さらに身近な素材になることでしょう。
United Athle/United Athle Sportsは、一度の消費だけにとどまらない、毎日に快適さをプラスするデイリーウェアをお届けします。