刺激が全くない期間のモヤモヤをアウトプットしてみたかった

─今回、コラボレーションしたアイテムには“PERFECT DAY”というレターが入っています。この言葉にはどのような想いを込めたのでしょうか？
オカモトレイジ(以下R)　世の中、いろんな問題がありすぎて真面目に向き合うとなると並大抵の精神力じゃなかなか難しいと思うんです。だから、自粛生活だけでもせめてポジティブに捉えたいという思いでいたんですね。実際、ここ最近は普段なら絶対にできない生活リズムで家族とゆっくり過ごせたりしました。……ですが、“オカモトレイジ”という立場からすると正直、良いことなんてなかったです。刺激が全くない時間の中で、これが良いことなのか、それとも悪いことなのか分からなくなってモヤモヤした気持ちが、ルー・リードの「PERFECT DAY」（1972）という曲の歌詞そのものだったんです。その想いをそのまま文字にして表現してみました。みんなそれぞれ、この期間にたくさんのことを考え感じたと思うので、この先もその気持ちを忘れてほしくないなという願いも込めています。

─複雑な心境を形としてアウトプットしたのですね。ちなみにこのデザインは実際どのように作ったのですか？
R　纐纈&グルーポの삐딱하게丸(ピタカゲマル)さんにグラフィックを手伝ってもらい仕上げました。彼とはかれこれ6、7年くらいの付き合いで、世に出ていないものも含め僕の個人的なプロダクトは大体手伝ってもらっています。僕がキュレーションをしている「YAGI EXHIBITION」も2017年の初回から協力してくれていて。仕事も早いし、最高です。

─なるほど。今回の制作でこだわったところはありますか？
R　ずばりプリントの厚塗り感ですね。まさかこんなに良いクオリティで表現できるとは思っていなくて、予想を超えた仕上がりに満足しています。

─先ほど個人的なプロダクトを制作していると伺いましたが、ボディとなるアイテム選びでこだわるポイントはどんなところでしょうか？
R　Tシャツやスウェットなら、ヘヴィーで首が詰まっているものが好きです。

─レイジさんといえば、私服のスタイルがいつも注目を集めていますね。普段のファッションのこだわりはありますか？
R　いろんな格好をするので、正直こだわりはそこまでないんですよ。だからこそ気になるアイテムを見つけたらまず買うようにしています。ファッションに対する向き合い方としては、“最速、かつその情報を惜しみなくシェアする”ことを大事にしています。

─OKAMOTO'Sとしての活動以外にも幅広い活動をされています。興味や嗜好の幅広さの源泉はどこにあると考えますか？
R　やりたいと思ったことをしっかり実行すれば、ほとんどのことが実現可能だってことがわかっているから、いろいろチャレンジできるんです。イベントがやりたいと思えばやればいいし、服や本を作りたいと思えば作ればいい。何かを完成させたときの満足感はもちろん、失敗してしまったときの気持ちもたくさん知っているので、世の中のみんなにもこの感覚をぜひたくさん味わってもらいたいなあと思っています。

─最後に、意欲的な活動を続けるレイジさんが次に挑戦してみたいことや将来の展望を教えてください。
R　それが正直なところ、ないんですよね。自分と身のまわりの大切な人たちが、心身ともに健康であればいいなと思っています。