【公式】デジタルカタログ 2024SS LOOK BOOK | United Athle(ユナイテッドアスレ)
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1983年生まれ。ファインアートと商業美術、デジタルと身体性、都市のユースカルチャーと自然世界など、複数の領域を往来するアーティスト。また、欧米ラグジュアリーブランドや国内外のミュージシャン、東京のアンダーグラウンドクラブから現代美術フェアまで幅広いクライアントを持つアートディレクターとしての顔も持つ。代表を務めるデザインスタジオ「YAR」では、広告・イベント・ロゴタイプ・内装 / 外装デザイン・ウェブ・映像など、視覚芸術が関わるほぼすべての範囲で膨大な量の仕事を手掛ける。yoshirotten.comYOSHIROTTENデジタルとフィジカル、平面と立体、絵と音など、さまざまなフィールドを行き来しながら、一目で彼のものだとわかる唯一無二のオリジナリティを纏った作品を創り出すアーティスト、YOSHIROTTEN。今回、United AthleがTHE D SoraKiとのコラボレーションTシャツを制作するにあたり、本人から直々のリクエストを受けてアートワークを提供した。SoraKiが「運命的」と感じたこのグラフィックにはどんな意味やメッセージが込められているのだろうか。コラボレーションアイテムのデザインへのこだわりから、彼のクリエイションの原点に迫る。─今回採用したアートワークはどんな意味を持っていますか?YOSHIROTTEN「そもそもこのグラフィックは2023年に発表した『SUN』という作品群の中から、SoraKiさんよりリクエストを受けて提供したものです。これはコロナ禍の中でスタートしたプロジェクトで、一年をかけて毎日さまざまな色彩の太陽を描いたもの。365日の中で二度と同じ日が訪れないように今日という普遍的な時間を特別に感じてもらいたい、それと同時に地球に興味を持つきっかけになってほしい、という想いを込めて始めたプロジェクトなんです。今回、SoraKiさんが選んでくれて、また『SUN』の新しい一面を引き出すことができたと感じています」─365ある作品の中から、このアートワークを選んだのはなぜでしょうか?YOSHIROTTEN「SoraKiさんの誕生日にあたる日付の作品なんです。本人から、自身の誕生日の『SUN』を背負いたいという希望がありまして。作品を気に入っていただいていたので、あえて特別なアレンジはせずシンプルにシルクスクリーンプリントで表現しました。4色分解した上に蛍光色も入る、という非常に難易度の高いものでしたが、高度な技術をもつプリントチームによって再現することができたんです。ボディ自体のやわらかい生地感もあって、インクも良い感じに馴染んでくれました」─Tシャツ、ひいてはアパレルアイテムは表現の媒体としてどう捉えていますか? YOSHIROTTEN「ファッションは流動的な業界ですが、それでも良いものはずっと残ると考えています。だからこそ、僕がデザインするときは、着古してボロボロになっても気に入ってもらえるものを作りたいと思っていて。今回のコラボレーションTシャツも、一年を通していろいろなタイミングで着てもらえたら嬉しいですね」─YOSHIROTTENさんといえば多彩な表現方法が大きな特徴ですが、たくさんの表現を採用している理由はなんでしょうか?YOSHIROTTEN「もともとはグラフィックがベースですが、体験する場面に合わせて表現方法を変えて見え方を変化させているんです。同じテーマでも、平面には平面の、立体には立体の見え方がある。なので、表現方法が変わっても僕自身の感覚は特に変わらないですね。テーマに適した形で、一瞬で心が取り込まれるようなものを作ることを目指しています。ちなみに、このようないろいろな表現を世に打ち出す作風に至ったのは、2018年に行った、グラフィック・立体物・インスタレーション・映像などを交えて発表した『FUTURE NATURE』という作品展がきっかけです」─ジョニー・ロットンをオマージュしたお名前が表す通り、YOSHIROTTENさんにはパンクの面影を強く感じますが、パンクというカルチャーからどのような影響を受けましたか?YOSHIROTTEN「名前は冗談みたいなものですが、僕にとってパンクはシンプルで強く、無制限で鮮やかなもの。僕がパンクロックを聴いて世界が変わったように、僕の作品を通して見てくれた人の新しいきっかけになったら嬉しいなと思っています」─最後に、YOSHIROTTENさんらしさやオリジナリティはどんなところにあると考えていますか? YOSHIROTTEN「若い頃から持ち続けている『変幻自在に格好良いものを作りたい』という想いと、自然や都市の魅力を新しい角度から伝えることへの興味をあわせ持っているところでしょうか。これからももっとこういった活動を続けていきたいですね。いずれにせよ、楽しみながら一生懸命やること、作ることに妥協しないこと、見た人を楽しませること。これらは常に心に持って創作をしたいと考えています」10“一瞬で心が取り込まれるものを”多彩な表現の芯にあるYOSHIROTTENの強い想い

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